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代表的な規則であるCMI規則と代表的なサービスであるポレロネットについて内容を簡単に説明しよう。CMI規則は,当事者がこの規則の適用に合意した場合に適用され(1条),(電子船荷証券の)所持人が運送人に対する運送品引渡請求権等を有し(7条a項),運送品の支配・処分権の移転のやり方は,@運送人は運送品を受け取ると荷送人に個人キーを付与し,A荷送人が運送品の支配・処分権を移転する場合は荷送人は個人キーを用いて新たな(電子式船荷証券の)所持人となる第三者に移転する旨,運送人に通知し,B運送人は当該第三者から当該権利を受領する旨の応答を得た上で,当該第三者に新規の個人キーを付与し,当該第三者は新たな所持人となるといったプロセスをとり(7条b項),こうした方法による支配・処分権の移転が書面形式の船荷証券の移転と同様の効果を有する(7条d項)としている。
一方,ボレロネットは国際的な銀行間ネットワークシステムであるSWlFT(SocietyforWorldwidelnternationalFinancialTelecommunication)等が中心となって1999年から商業サービスを開始し(実験プロジェクトは1994−5年),@ポレロネットが参加者のルール・ブック(準拠法は英国法)を定め,参加者がこれに合意することで参加者間の法律問題を解決した点,Aメッセージ受信確認等のためにボレロ・インターナショナルが認証機関の役目を果たす点,Bボレロ船荷証券の権利移転等の登録のためにボレロ・インターナショナルが中央登録機関を行う点に特徴がある。
電子商取引に関しては諸外国でさまざまな立法が制定されている。
これらの立法例は,日本の電子商取引におけるルールを策定する際にも多いに参考になるものと思われる。
そこで以下,国連や欧米の状況を説明しよう。
国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)は1996年にUNCITRAL電子商取引モデル法(UNCITRALModelLawonElectronicCommerce)」を採択した。
これは電子商取引に対する各国の既存の法的障害を除去するために,各国が国内立法において参照すべきとされるモデル法であり,拘束力はない。モデル法の内容は,電子商取引において,データメッセージによる契約の有効性を確認するとともに,データメッセージの本人への効果帰属に関する要件など電子契約に関する基本的ルールを規定したものである。
UNCITRALは1996年以降,電子署名の法的効果に関するモデル法案の作成作業を行ってきたが,2001年になってUNCITRAL電子署名モデル法(UNCITRALModelLawonElectronicSignatures)として制定された。
ここでは,電子署名を信頼した当事者は,その信頼性を確認するために合理的な手順を踏むべきだとする行為規範が定められている。
アメリカでは多くの州が電子署名に関する法律を制定しているほか,各州の電子取引法制の統一を図るため,統一州法全国会議(NCCUSL)において統一商事法典(UCC)の改正を含む統一法の作成作業が行われている。
まず,契約法制に関してはNCCUSLが1999年7月に「統一電子取引法(UniformElectronicTransactionAct,UETAと略称)」及び「統一コンピューター情報取引法(UniformComputerlnformationTransactionsAct,UCITAと略称)」を採択し,各州に立法化を勧告した。
UETAは,電子的に結ばれた契約の法的有効性を確認し,書面交付を電子的に行うことを容認し,クリックミス等の誤りによる無効の要件など,サイバー空間上で契約を結ぶ際の統一モデル州法であり,カリフォルニア州など20州ですでに州法化されている(2000年7月現在)。
一方,UCITAは,ソフトウェアのライセンス契約等のコンピューター情報取引に適用され,5000ドル以上の契約に要求される書面要件に代わる方式要件の充足,契約の成立に関する承諾の意思表示の到達主義,電子エージェントによって自動化された契約の有効性等の規定が置かれており,バージニア州等2州で州法化されている(2000年7月現在)。
一方,電子署名に関しては,ユタ州,カリフォルニア州及びイリノイ州等で法律が制定されているほか,2000年6月に連邦電子署名法(ElectronicSignaturesinGlobalandNationalCommerceAct〈E-SIGNACT>)が制定された。
これによると,電子文書や電子署名は法的に否定されず,書面要件が課されている場合でも消費者の同意等の一定条件を満たせば電子的手段により認められ,商務長官が電子署名を用いた取引の阻害要因を取り除くこと等’国際取引等において電子取引を促進するための措置や施策が規定されている。
なお,プロバイダー等の仲介者の責任に関しては,仲介者は狼褒や名誉穀損等の情報にpuB/Lisherとしての責任を負わず,そうした情報を善意で削除したりアクセス制限を行っても責任を負わないこと等が規定された法(CDA:1996年通信品位法)や仲介者は業務内容ごとに異なる一定要件を満たせば金銭的賠償責任を負わず,善意で削除等を行う場合は免責されること等が規定された法(DMCA:1999年デジタルミレニアム著作権法)があるほか,消費者が受信を希望しない商業用の電子メールであるスパムメールについても規制法が制定されている。
EU域内では,電子取引法制を統一するため,@1999年12月に採択したEU電子署名指令とA2000年5月に採択したEU電子商取引指令を発出している。
EU電子署名指令では,電子署名の認証業務に対して許可制を導入することを禁止し,一定の電子署名であって認定された認証業務の証明書が添付されたものは署名要件を満たすこと,認定された認証業務が一定の責任を負うこと等を示しており,加盟国は2001年7月までにこの指令に従った国内法体系を整備.施行しなければならない,とする。
一方,EU電子商取引指令では,電子的に結ばれた契約の法的有効性を確認し,クリックミス等の契約締結過程の問題への対応等,サイバー空間上での契約に関するルールにつき,各国が法整備を行う際の原則を提示し,加盟国は2002年1月までにこの原則に従った国内立法を行わなければならない,としている。
なお,プロバイダー等の仲介者の責任に関しては,EU電子商取引指令が,仲介者は違法な情報の存在を知った場合には当該情報を削除する等,仲介者の業務内容ごとに異なった一定要件を満たせば差止め以外の責任を負わず,仲介者に一般的な監視義務はないと規定し,加害者情報の開示等の手続を導入することは各加盟国の自由な判断に委ねられている。
シンガポール,マレーシア,韓国などアジア諸国の法整備も進みつつある。
たとえばシンガポールで1998年に施行された電子取引法(ElectronicTransactionsAct)は電子契約や電子署名,プロバイダーに関する規定を置いている。
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